Concept

　　

「こころとカラダ、繋がる食事」

 

　今や世界中の食材を簡単に手にすることができ、あらゆる食事法を誰もが知り実践できる環境が目の前に広がる現代において、食べるという行為も少しずつ変化してきているように感じます。そんな中でも変わらない人への誠実さが、豊かな食卓にはあります。特別な娯楽でなくても、大切な人と囲む食卓には湧き上がる快感があり、特別な食事でなくても、かけがえのない時間が流れる。湯気のあたたかさ、食欲をそそる音や香り、友人の笑い声。私たちは口からだけではなく、からだ全体の感覚を通して食べているように思えます。

 

 頭ではなく、からだで食べる。それはこころまでも満たしてくれます。良い悪いという判断を一度おいて、今の自分に耳を傾け選択をする。食を通して、楽しみながら自分を認識していくことは、日常そのものを豊かにしてくれるのだと思います。古い諺にも、病気はその治療法や薬ではなく、治した者が正しいのだ、とあります。健康も美容も、まずは自分を知ることから。生きることに大切な食を通して、新たな発見をしたり、すでにあったものに気付けたりすることの感動をともに味わいたいと思っています。